特定技能外国人を雇用している企業様から、「入管から決算について確認の書類が届いた。債務超過になっているが、どうすればよいか」というご相談をいただくことがあります。
特定技能の受入企業には、経営の安定性が求められています。外国人に給与を払い続け、税金や社会保険料を納めていける力のことです。定期届出で出した決算の内容によっては、入管から追加で説明の書類を求められることがあります。
この記事では、実際のご相談をもとに、書類を求められたときの対応と、日頃からの備えをまとめました。
国は受入企業の「続けられる力」を重視しています
厚生労働省によると、2025年10月時点で日本で働く外国人は約257万人と過去最多になりました。人手不足が続くなか、外国人の受入れは今後も増えていく見込みです。
一方で政府は、2026年1月に「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を決定しました。税金や社会保険料をきちんと納めることや、在留審査を厳正に行うことに、より重点が置かれています。
外国人を受け入れる企業にとっては、「受け入れた後もきちんと続けていけるか」がこれまで以上に見られる流れになっています。
特定技能の受入企業に求められること
特定技能外国人を雇用する企業(所属機関)には、主に次のことが求められます。
- 外国人に、日本人と同じ水準以上の給与を払い続けられること
- 法人税・住民税などの税金を滞納していないこと
- 社会保険・労働保険にきちんと加入し、保険料を納めていること
- 雇用契約を続けていけるだけの、経営の安定性があること
こうした点は、在留資格の申請のときだけでなく、定期届出などを通じて受入れ後も確認されます。
特定技能の受入企業が赤字・債務超過のときは、追加の書類を求められることがあります
定期届出では、受入企業の決算の内容も入管に報告します。その結果、赤字が続いている場合や債務超過の場合には、追加の書類を求められることがあります。債務超過とは、会社の借金が財産より多い状態のことです。求められるのは、「今後も事業を続けられるか」を説明する書類です。
赤字や債務超過だからといって、すぐに外国人を雇えなくなるわけではありません。大切なのは、改善の見通しをきちんと説明できることです。

実際に受入企業様へ届いた通知書では、次の書面の提出が求められていました。
債務超過について、中小企業診断士、公認会計士、税理士等が改善の見通しについて評価を行った書面
提出期限は、通知書の日付から約1か月後に設定されていました。
特定技能で債務超過のときに求められる「評価書」とは
債務超過の場合、一般的には会計や経営の専門家が作成した「評価書」(企業評価書)の提出を求められます。今回のご相談の対応で、特に注意が必要だと感じた点は次の3つです。
1.「証明書」ではなく「評価書」です
会計の先生は、会社の将来について「問題がない」と証明する立場ではありません。求められるのは、専門家の目で会社の状況と今後の見通しを評価した書面です。
2.一文だけでは足りません
「経営に問題はない」という一文だけでは、内容が足りないと判断され、出し直しになるおそれがあります。一般的には、次のような内容を記載します。
- 直近の決算の状況(売上、利益、純資産など)
- 赤字や債務超過になった原因
- 改善に向けた取組み
- 今後の見通し(事業計画)
- 評価した専門家の意見
3.作成するのは中小企業診断士・公認会計士・税理士などです
通知書にあるとおり、評価書を作成するのは中小企業診断士・公認会計士・税理士などの専門家です。顧問の税理士・会計士の先生がいらっしゃる場合は、まずはその先生にご相談ください。税理士の先生が作成し、入管で受理された評価書の記載例は、特定技能の評価書(報告書)の記載例でご紹介しています。
評価書に何を書いてもらえばよいか、会計事務所様にどう依頼すればよいかで迷われたら、お気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。
入管から書類が届いたときの進め方
- 届いた書類をよく読み、求められている書類の名前と提出期限を確認します
- 直近の決算書を用意します
- 顧問の会計事務所の先生に、評価書の作成を相談します
- 提出前に、行政書士が内容を確認します
入管からの書類には期限があります。届いたらそのままにせず、すぐにご相談ください。
日頃からやっておきたいこと

- 決算が確定したら、決算書を行政書士にも共有しておく
- 税金や社会保険料を滞納しない
- 赤字が見込まれるときは、早めに会計の先生・行政書士に相談しておく
早めに状況を共有いただければ、定期届出の段階から説明の準備ができます。
たかやま行政書士事務所へご相談ください
当事務所では、受入企業様を一貫してサポートしています。特定技能の在留資格申請から在留期間の更新、定期届出、登録支援機関としての支援までお任せください。
債務超過・赤字で入管から書類を求められたときの対応や、会計事務所様への評価書の依頼方法についても、お気軽にご相談ください。
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出典
※本記事は2026年10月1日時点の公表情報と、当事務所が受けたご相談の内容に基づいています。必要な書類や提出期限は、届いた通知書の記載によって異なります。個別のケースについては、通知書の内容を確認したうえでご相談ください。
