入管から「就労状況に関する確認票」が届いたら|特定技能の郵送調査と対応

特定技能の外国人を雇用している企業に、出入国在留管理局から「就労状況に関する確認票」の記入・返送を求める書類が届くことがあります。外国語のアンケートが同封されていると、何を確認されているのか、会社が記入すべきなのか、戸惑うこともあるでしょう。

この確認票は、外国人本人の回答を通じて、実際の仕事・給与・生活・支援の状況を確認するためのものです。会社は依頼内容を確認し、本人が自由に回答できる環境を整えて返送につなげます。

この記事では、大阪出入国在留管理局からの依頼書と未記入のベトナム語確認票を例に、会社側の対応を説明します。原文の写真を読みやすく整えた資料と、当事務所による日本語参考訳も掲載しています。

資料・制度の確認日:2026年9月24日。対象者・返送先・期限は、実際に届いた依頼書で確認してください。

青いマークのペンダントを付け、右を指し示す当事務所の木の人形

まず確認

まずは、届いた依頼書で対象者と返送の案内を確認しましょう。

目次

何のための書類? 届いただけで違反が認定されたわけではありません

今回の依頼書は、特定技能外国人の受入れが適正に行われているかを確認するための調査として、本人による確認票の記入と返送を求めています。依頼書には、入管法第19条の37に基づく調査である旨が記載されています。

同封の一般案内では、入管が事業所への訪問のほか、電話や郵送で調査する場合もあると説明しています。したがって、書類が届いたという事実だけで、違反が認定された、処分が決まった、訪問日が決まった、と判断することはできません。

ただし、対応せずに放置してよいという意味ではありません。何を、誰が、いつまでに、どこへ返すよう求められているかを確認しましょう。

出典:出入国在留管理庁「調査・行政処分等」/掲載の依頼書。

届いたら会社が行う4つのこと

1.対象者の国籍・分野・人数を確認する

今回の選定案内では、対象者が複数いる場合でも、その中から1名を選定するよう案内されています。在籍期間が長い方や、後日の確認連絡に使える携帯電話を持つ方を優先してほしい、という案内もあります。

対象者や選定方法は、自社に届いた選定案内に従って確認してください。

2.会社が関与しない環境で、本人に記入してもらう

青いマークのペンダントを付け、右を指し示す当事務所の木の人形

ここが大切

回答するのは働いているご本人。自由に答えられる環境が大切です。

依頼書には、会社職員が関与しない環境で記入できるように配慮することが示されています。会社が回答を代筆したり、「問題なし」にそろえるよう求めたり、回答の修正を促したりする対応は避けてください。

文字の記入や言葉の理解に補助が必要な場合は、本人の自由な回答を守れる方法について、依頼元の担当部門に確認するとよいでしょう。登録支援機関への評価も質問に含まれるため、支援担当者が回答内容を誘導しない配慮も必要です。

3.回答内容を会社が読まない方法で返送する

依頼書は、発送時にも会社職員が文面を閲覧しないよう求めています。本人が封入・封緘し、会社は封を開けずに発送を取り扱うなど、回答内容が会社に見えない方法を整えます。これは非閲覧を確保するための方法の一例であり、実際の発送方法は同封の案内に従ってください。

確認票には氏名・電話番号等の欄があり、匿名式ではありません。本人には、会社の内部アンケートではなく、入管が就労・生活状況を確認する書類であることを伝えます。

4.返送目安と宛先を確認する

今回の依頼書では、「2週間以内を目安に発送」とされています。これを、すべての入管調査に共通する法定期限と読み替えないようにしましょう。

返送が難しい場合や、いつから数えるか不明な場合は、依頼元の担当部門に確認します。返送先も、通常の在留資格申請の窓口と同じとは限りません。届いた依頼書に記載された担当部門を確認してください。

ベトナム語の確認票では何を聞かれる?

今回の外食用・飲食料品製造用の確認票は、同じ質問内容の4ページです。氏名、電話番号、国籍、性別、生年月日、勤務先、登録支援機関を記入し、次の10項目に回答する構成になっています。

項目確認される内容
1.就労前の説明働く前に会社と仕事内容について話をしたか。
2.実際の仕事事前に聞いた仕事と実際の仕事が同じか。違う場合の仕事内容と期間。
3.給与・労働時間契約との相違、残業代の不払い、控除の増額、不利な別契約などがないか。
4.本人の所持品パスポート、在留カード、通帳・銀行カード、印鑑、携帯電話などを本人が持っているか。
5.退職時のお金途中で辞めると本人や家族がお金を支払う、という契約・約束がないか。
6.定期面談支援担当者と3か月に1回、仕事や生活について話しているか。
7.生活上の困り事外出・金銭使用等の制限、罰金のような請求、暴力、嫌がらせ、相談の妨害など。
8.妊娠・出産妊娠や出産を理由に退職・帰国を求められた経験、他の人についての見聞き。
9.宗教活動仕事以外の時間の宗教活動をやめるよう求められた経験、他の人についての見聞き。
10.その他仕事・生活で困っていることの自由記載。

給与だけでなく、本人が自由に生活・相談できているか、支援が実際に行われているかも確認されます。末尾には、記載内容が事実であることを確認し、氏名と日付を記入する欄があります。

原文と日本語参考訳

以下の資料では、ベトナム語の原文ページと日本語訳を対照できます。日本語訳は、今回のベトナム語用紙を理解するために当事務所が作成した参考資料です。入管が発行した公式の日本語様式ではなく、提出用紙の代わりにするものではありません。

本人の回答内容を会社が点検・修正するために使うのではなく、調査の趣旨と質問の意味を理解するためにご利用ください。

全資料+日本語訳(PDF・20ページ)

日本語参考訳(PDF・4ページ)

記入・返送の依頼書(写真補正)
記入・返送の依頼書(写真補正)
ベトナム語原文 1 / 4(外食分野用・未記入)
ベトナム語原文 1 / 4(外食分野用・未記入)
当事務所による日本語参考訳 1 / 4(公式様式ではありません)
当事務所による日本語参考訳 1 / 4(公式様式ではありません)
ベトナム語原文 2 / 4(外食分野用・未記入)
ベトナム語原文 2 / 4(外食分野用・未記入)
当事務所による日本語参考訳 2 / 4(公式様式ではありません)
当事務所による日本語参考訳 2 / 4(公式様式ではありません)
ベトナム語原文 3 / 4(外食分野用・未記入)
ベトナム語原文 3 / 4(外食分野用・未記入)
当事務所による日本語参考訳 3 / 4(公式様式ではありません)
当事務所による日本語参考訳 3 / 4(公式様式ではありません)
ベトナム語原文 4 / 4(外食分野用・未記入)
ベトナム語原文 4 / 4(外食分野用・未記入)
当事務所による日本語参考訳 4 / 4(公式様式ではありません)
当事務所による日本語参考訳 4 / 4(公式様式ではありません)

年1回の定期届出とは別の手続です

同封資料には、特定技能制度の届出に関する案内も含まれています。しかし、今回の確認票の返送と、受入れ企業等が行う定期届出は別のものです。確認票を返せば定期届出も済む、という扱いではありません。

区分今回の就労状況確認票定期届出
主な内容本人の仕事・生活・支援の実情受入れ・活動・支援実施状況
回答・作成対象の外国人本人が回答受入れ企業が必要情報を取りまとめる。登録支援機関は受入れ企業を経由して報告
時期届いた依頼書に従う。今回の例は2週間以内を目安に発送年1回。対象年度の翌年度4月1日~5月31日。末日が土日祝日の場合は翌開庁日

また、年1回になったのは定期届出の頻度です。1号特定技能外国人等との定期面談は、3か月に1回以上という別の支援事項です。契約変更や退職等に伴う随時届出も、必要な場合は別途行います。

出典:定期届出作成要領(入管庁PDF)、届出の公式案内、1号特定技能外国人支援の公式案内。詳しくは当事務所の特定技能の定期届出Q&Aもご覧ください。

会社の記録は、本人の回答とは別に点検しましょう

会社としては、日頃の管理が適切かを確認する機会になります。雇用契約書・雇用条件書、勤怠記録、給与明細と支払いの記録、控除の根拠、支援計画、面談・相談記録、各種届出の控えなどを整理しておきましょう。

ただし、これらすべてが今回の返送時に添付を求められている、という意味ではありません。 追加資料は、入管からの個別の指示を確認して対応します。本人の回答を会社の記録に合わせて書き直させることも避けてください。

よくある質問

書類が届くと、必ず実地調査を受けますか?

今回の依頼書は確認票の返送を求めており、訪問日時は指定されていません。今後の訪問の有無はこの書面だけでは分かりません。別途連絡があった場合は、その内容を確認して対応します。

会社や登録支援機関がまとめて回答してもよいですか?

今回の確認票は本人の回答を求めるものです。会社がまとめて回答を作るのではなく、本人が自由に回答できる環境を整えてください。補助が必要な場合は依頼元に確認します。

返送が遅れると、チラシに書かれた罰金が直ちに適用されますか?

同封チラシの罰則説明は、特定の法的根拠に基づく報告徴収・立入検査の拒否や虚偽回答などについての一般的な説明です。今回の確認票の発送目安を過ぎただけで、直ちにその罰則が適用されると書かれているわけではありません。遅れそうな場合は放置せず、依頼元へ確認してください。

特定技能の受入れ後の手続きもご相談ください

たかやま行政書士事務所では、特定技能の在留資格申請に加え、受入れ後の届出や支援計画に関するご相談に対応しています。

「入管から届いた書類の意味が分からない」「どの届出が必要か整理したい」「受入れや支援に関する書類を確認したい」という企業様は、届いた依頼書と確認したい点をご用意のうえ、ご相談ください。外国人本人の回答を誘導するのではなく、会社として必要な手続きを整理するお手伝いをします。

入管からの書類・特定技能の手続きについて相談する

本記事は掲載資料を例にした一般的な説明です。実際の対応は、各社に届いた書類と依頼元の案内に従ってください。

目次