特定技能でミャンマーの方を受け入れるとき、雇用条件書などを本人が理解できる言語で用意する場面があります。ところが、ミャンマー語をWordに貼り付けると、四角い記号が並んだり、文字の形が崩れて表示されたりすることがあります。
原因は「フォントが入っていないから」とは限りません。多くの場合、文字コードの違いによるものです。ミャンマーではかつて Zawgyi(ゾージー)という書体が広く使われていましたが、これは国際規格である Unicode に沿っていません。ミャンマー政府は2019年10月1日を「U-Day」と定め、Unicode への切り替えを進めました。
この記事は、ミャンマーの方を雇用する企業のご担当者と、実際に書類を作る方に向けたものです。ITの専門知識は前提にしていません。
結論:まず押さえておきたい5つのポイント
- Windows には「Myanmar Text」というミャンマー語のフォントが最初から入っています。追加のダウンロードは、通常は必要ありません。
- 文字化けの多くは、フォント不足ではなく Zawgyi と Unicode の取り違えが原因です。
- これから作る書類は Unicode で作ります。Zawgyi を新たに入れる必要はありません。
- 相手から届いた文書が崩れて見えるときは、相手が Zawgyi で作っている可能性があります。
- 変換サービスに契約書の中身をそのまま貼り付けないでください。氏名や在留カード番号が外部のサーバーへ送られます。
※本記事は一般的な解説です。実際の書類の要否や記載方法は、個別の事情や最新の運用によって異なります。
なぜ文字化けするのか
原因は大きく2つに分かれます。見え方で見分けられます。
1. フォントが入っていない場合
文字がすべて □(白い四角)になります。中身が何も読めない状態です。
2. 文字コードが違う場合
文字自体は出るのに、母音や記号の位置がずれる、意味の通らない並びになる、という見え方になります。Zawgyi で書かれた文章を Unicode のフォントで表示すると、この状態になります。
Zawgyi は、Unicode で本来別の文字に割り当てられている番号を、独自に使い回して作られています。そのため、同じデータでも読む側の環境によって違う文字に見えてしまいます。
Windowsでの確認手順
Word で次のように確かめられます。
- 崩れている箇所をドラッグして選びます
- フォント名の欄に「Myanmar Text」と入力して確定します
- これで正しく整えば、フォントの問題でした
それでも崩れたままなら、その文章は Zawgyi で作られている可能性が高いと考えられます。フォントを変えても直りません。
「Myanmar Text」は、Windows 7 以降のWindowsに標準で含まれています(Microsoft のフォント一覧による)。わざわざ探して入れる必要はありません。
ミャンマー語を入力したいとき
Windows の「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」→「言語の追加」から、ミャンマー語を追加します。追加するとキーボードの切り替えができるようになります。画面の名称はWindowsのバージョンによって多少異なります。
日本語の書類にミャンマー語を貼り込むだけであれば、入力機能の追加は必ずしも必要ありません。翻訳された文章を貼り付けるだけなら、フォントが表示できれば足ります。
相手から届いた文書が崩れているとき
いちばん確実なのは、送り主に Unicode で作り直してもらうことです。ミャンマー国内でも Unicode への移行が進んでいるため、依頼すれば対応できることが多くあります。
Zawgyi と Unicode を相互に変換するサービスもありますが、契約書の本文をそのまま貼り付けるのは避けてください。氏名・生年月日・在留カード番号などが外部のサーバーへ送られることになります。どうしても変換が必要な場合は、個人情報を伏せた状態で試すか、翻訳を担当した方に依頼してください。
特定技能の書類を作るときに気をつけること
特定技能の手続きで使う参考様式は、出入国在留管理庁のページで公開されています。多言語版が用意されている様式もあるため、自分で翻訳を作る前に、まず公式の様式を確認してください。様式は改定されることがあるので、その都度、最新のものを見に行くのが確実です。
自分で翻訳文を貼り込む場合は、Unicode で作られた文章を使います。印刷して提出する書類でも、後から差し替えや修正が生じたときに、Zawgyi のままだと編集できる人が限られてしまいます。
特定技能の手続き全体の流れについては、特定技能ビザ申請サポートのページでご案内しています。
よくある質問
Zawgyi フォントをインストールしたほうがよいですか
これから作る書類のためであれば、必要ありません。ミャンマーは2019年から Unicode への切り替えを進めており、新しく Zawgyi で作る理由は乏しくなっています。古い資料を読むためだけに必要になる場合はありますが、その場合も、まずは送り主に Unicode 版を求めるほうが確実です。
本人のスマートフォンでは読めるのに、会社のパソコンで崩れます
送られてきた文章が Zawgyi で作られている可能性があります。Zawgyi が入った端末では正しく見え、入っていない端末では崩れる、という形で食い違いが起きます。
フォント一覧に「Myanmar Text」が見当たりません
フォント名の欄に一覧から探すのではなく、「Myanmar Text」と直接入力して確定してみてください。一覧のスクロールでは見落としやすい位置にあります。
PDF にすれば文字化けしませんか
PDF はフォントを埋め込めるため、見た目は保たれます。ただし、元の文章が Zawgyi で作られていれば、内容が正しくないまま固定されるだけです。PDF にする前に、中身が正しいかを確認してください。
翻訳の内容が正しいかどうかは、どう確認すればよいですか
日本語が読める方に、内容を口頭で確認していただくのが確実です。文字が正しく表示されていることと、訳文の内容が正しいことは別の問題です。雇用条件のように行き違いが起きやすい部分は、書面だけで済ませず、本人に説明したうえで確認をとることをおすすめします。
まとめ
ミャンマー語の文字化けは、フォントを追加すれば直るとは限りません。Zawgyi と Unicode という2つの文字コードが併存してきた経緯が背景にあります。
Windows には最初からミャンマー語のフォントが入っています。まずはそれで表示を確かめ、直らない場合は、送り主に Unicode で作り直してもらう。この順番で進めるのが、遠回りに見えて確実です。
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参考にした公的情報
※本記事は2026年10月2日時点の公表情報に基づいています。制度や様式は改定されることがあります。個別案件の判断に代わるものではありません。
