飲食料品製造業の特定技能2号試験では、複数の作業員を指導しながら工程を管理した実務経験が2年以上必要です。単に食品工場に2年間勤めていればよい、という要件ではありません。
以前は、試験後6か月以内に実務経験が2年に達する見込みでの受験も認められていましたが、現在は取扱いが変わっています。この記事では、受験を考えている外国人材と受入れ企業の担当者に向けて、受験資格、経験期間の数え方、申込み前に確認する点を解説します。
※2026年9月19日時点のOTAFF・農林水産省の公表資料に基づきます。

飲食料品製造業の特定技能2号試験とは
正式名称は「飲食料品製造業分野特定技能2号評価試験」です。OTAFF(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)が実施し、特定技能2号に必要な技能を確認します。受験資格の確認とあわせて、特定技能2号試験の全体像と基本的な受験要件もご覧ください。
受験資格は4つすべてを満たす必要があります
OTAFFの案内では、日本国内での受験に次の要件が示されています。
- 試験日に、日本で在留資格を有していること。
- 試験日に、満17歳以上であること。
- 対象国・地域が発行したパスポートを持っていること。現在は、イラン・イスラム共和国以外の国・地域が対象です。
- 飲食料品製造業分野で、複数の作業員を指導しながら工程を管理する実務経験(管理等実務経験)が2年以上あること。
実務経験を確認する時点にも注意が必要です。OTAFFの受験案内は「受験者登録申請」の際の確認を求める一方、農林水産省のFAQ(PDF)は試験日の前日までに必要な経験を満たすと説明しています。登録申請後から試験前日までの間に2年に達する場合は、申込みを進める前にOTAFFへ取扱いを確認してください。
実務経験2年の「見込み受験」はどう変わったか
農林水産省のFAQでは、2026年5月1日から、試験日の前日までに必要な管理等実務経験を満たす取扱いになったと説明されています。以前の「試験後6か月以内に2年に達する見込み」という条件を、そのまま現在の受験計画に当てはめることはできません。
OTAFFも、2026年7月22日のお知らせで、2026年度の受験から実務経験2年以上がなければ受験できないことを明示しています。過去の受験者向け案内と、これから受験する方の条件を分けて確認しましょう。
実務経験は「勤務年数」ではなく担当業務で確認します
飲食料品製造業では、食品の製造・加工に従事しながら、複数の作業員を指導して工程を管理する経験が必要です。農林水産省のFAQでは、衛生・安全・品質・納期・原価・従業員・原材料の管理などが挙げられています。想定される役割は、班長やライン長などです。
役職名だけで判断せず、実際の仕事と担当した期間を整理します。辞令を出す習慣がない会社では、いつから複数の作業員を指導し、工程管理を担当していたのかを示せる資料を準備することが大切です。
- 管理業務の開始時期:入社日と、作業員の指導・工程管理を始めた日は同じとは限りません。
- 転職前の経験:同じ飲食料品製造業分野で要件を満たす経験は通算できます。原則として、経験した各企業の証明が必要です。
- 算入できない期間:技能実習の期間や、在籍していても休職・帰国などで業務に従事していない期間は、管理等実務経験に含められません。
- 他分野の経験:外食業など、別の分野での管理経験を飲食料品製造業の必要期間に振り替えることはできません。
これらの取扱いは、農林水産省のFAQ(3・5〜7ページ)で確認できます。前職の証明書を取得しにくい場合などは、証明方法を自己判断せず、OTAFFや農林水産省に確認しましょう。
申込みは直接雇用する企業を通じて行います
受験者登録は、外国人材を直接雇用する企業がOTAFFの「企業マイページ」から行います。企業が実務経験証明書を提出し、受験資格の確認を受けます。個人マイページの登録だけでは、特定技能2号試験に申し込めません。
受験者本人と企業担当者で、在留資格・年齢・パスポートに加え、管理業務の内容と期間、証明書の準備状況を照合しておきましょう。具体的な登録手順は、OTAFFの企業マイページからの受験者登録方法で解説しています。
試験内容・合格基準・受験料
- 科目:学科試験・実技試験。いずれも4択です。
- 試験時間:70分。
- 言語:日本語。漢字にふりがなは付きません。
- 実施方法:CBT方式(試験会場のパソコンで解答)。
- 合格基準:200点満点中130点以上(満点の65%以上)。
- 受験料:15,000円(税込)。返金は原則としてありません。
同じ業種の試験は、受験日の翌日から数えて45日間は再受験できず、46日目から再受験できます。不合格を知った日を起点に数えるのではない点に注意してください。日程・会場・受験料の取扱いなどは、申込み時にOTAFFの最新の試験案内を確認しましょう。
試験に合格した後も在留資格の手続きが必要です
試験合格だけで、特定技能2号への在留資格変更が認められるわけではありません。実際に従事する業務、雇用条件、受入れ企業側の要件なども確認し、在留資格の申請を行う必要があります。試験の準備と並行して、合格後の配置や提出書類を整理しておくと手続きを進めやすくなります。
申請書類の準備には、特定技能2号「業務内容に関する誓約書」の書き方と注意点も参考にしてください。
受験準備と特定技能2号への変更に関するご相談
まずは、管理業務を始めた時期と実際の担当業務を、受験者本人と企業で確認しましょう。受験制度や登録時期の個別の取扱いはOTAFFへ確認し、在留資格変更を見据えた書類整理や申請準備でお困りの場合は、たかやま行政書士事務所へご相談ください。
「実務経験をどの資料で説明するか整理したい」「合格後の在留資格変更を依頼したい」といったご相談に対応します。支援内容は特定技能の申請サポートをご覧ください。
