ベトナム人との結婚は、まず「日本とベトナムのどちらで先に婚姻するか」を決め、両国への届出と、その後に暮らす国の在留手続を順に確認します。必要書類は、お二人の現在地や婚姻歴、提出先によって変わります。
2026年9月11日にはベトナムでアポスティーユ条約が発効しました。対象となる公文書の認証は簡素化されましたが、婚姻要件の確認、翻訳、婚姻後の在留資格の申請は引き続き必要です。
この記事は、日本人とベトナム人が結婚し、日本で暮らすことを検討している方を主な対象にしています。最終確認日:2026年9月16日。
日本で先に結婚する場合と、ベトナムで先に結婚する場合
| 進め方 | 最初の窓口 | 婚姻後に確認すること |
|---|---|---|
| 日本で先に婚姻する | 日本の市区町村 | ベトナム側への婚姻の記録手続と、必要な在留手続 |
| ベトナムで先に婚姻する | 権限のあるベトナムの人民委員会 | 婚姻成立後3か月以内の日本側への届出と、必要な在留手続 |

手続のしやすさだけで順序を決めず、お二人が窓口へ行ける時期、書類を取得できる場所、結婚後の居住予定も合わせて考えましょう。
日本で先に結婚する場合の手順
1.市区町村とベトナムの在外公館へ事前確認する
日本の婚姻届の提出先に、相手がベトナム国籍であること、現在の居住地、婚姻歴を伝え、必要書類を確認します。一般に、外国人側の婚姻要件具備証明書と日本語訳などが必要です。出典:法務省「国際結婚に関する戸籍Q&A」。
婚姻要件具備証明書は、本国の法律上、結婚できる条件を満たすことを示す書類です。日本での婚姻届に添付する証明書と、その証明書を取得するために大使館へ出す資料は、分けて準備します。
2.婚姻要件具備証明書などをそろえる
駐日ベトナム大使館の婚姻関連手続の案内(手続番号6・ベトナム語)では、ベトナム出国前と来日後の婚姻状況を確認する資料、住民票、旅券・在留カードの写しなどが案内されています。
過去の居住地域や離婚歴によって追加資料が必要になることがあります。お住まいを管轄する大使館・総領事館の最新案内を確認してください。以下は、市区町村への届出前に確認したい主な項目です。
| 準備するもの | 確認ポイント |
|---|---|
| 婚姻届 | 日本方式で婚姻を成立させる場合は、成年の証人2名の署名が必要 |
| ベトナム人側の婚姻要件具備証明書など | 発行先・必要な記載・期限を市区町村に確認 |
| 外国語書類の日本語訳 | 訳文と翻訳者の表示方法を確認 |
| 旅券などの本人確認・国籍確認資料 | 原本提示・写し・追加資料の要否を確認 |
| 再婚の場合の資料 | 離婚・死別の事実と、ベトナム側の記録状況を確認 |
届出先と本人確認書類、証人の基本的な扱いは法務省「婚姻届」で確認できます。上の表は一律の必要書類一覧ではなく、提出先への確認用です。
3.婚姻届の受理後、ベトナム側の記録手続を進める
日本での受理後は、ベトナム側の婚姻の記録手続(Ghi chú kết hôn)も確認します。駐日ベトナム大使館の案内では、日本の婚姻届受理証明書などを用いる手続が示されています。
一方が日本、もう一方がベトナムにいる状態で日本へ届け出た場合などは、ベトナム国内で記録手続を行うよう案内されています。出典:駐日ベトナム大使館の案内・手続番号8。このため、日本への届出前に、ベトナム側の手続先も決めておくと安心です。
ベトナムで先に結婚する場合の手順
1.現在の申請窓口と必要書類を確認する
ベトナムでは、2025年7月の行政再編に伴い、外国人との婚姻を含む戸籍事務の権限が社・坊等の基礎級人民委員会へ移されました。古い案内にある区・県の窓口へそのまま向かわず、相手方の居住地を踏まえて現在の窓口を確認してください。出典:ベトナム政府の政令120/2025/NĐ-CP解説(ベトナム語)。
日本人側は、婚姻要件具備証明書、旅券、婚姻登録申請書、婚姻手続用の健康診断書などを準備するのが基本です。診断内容や取得先は在ベトナム日本国大使館の案内を参考に、実際の提出先へ確認します。
2.発行元に合った認証と翻訳を準備する
日本国内で発行された条約対象の公文書は、アポスティーユを使う経路を確認できます。一方、日本の大使館・総領事館が発行する婚姻要件具備証明書は、外交官・領事官作成文書として条約対象外です。
同じ名称の書類でも、発行元を変えると認証の手順が変わります。発効前の案内をそのまま適用せず、発行機関・提出先に最新の扱いを確認しましょう。
翻訳を添えて日本で公証・アポスティーユを受ける場合は、翻訳を先に準備します。公文書原本へのアポスティーユと、その後の翻訳・公証等を求められる場合もあるため、必要な書類の形と順序を提出先に確認してください。
認証の対象と例外は、関連記事ベトナムのアポスティーユ|2026年9月11日発効と結婚書類への影響で詳しく説明しています。
3.現地で婚姻が成立したら、3か月以内に日本へ届け出る
ベトナムの方式で婚姻が成立した後は、日本人の戸籍へ婚姻の事実を記載する届出が必要です。原則として婚姻成立日から3か月以内に、在外公館または日本側の市区町村へ届け出ます。
婚姻証明書と日本語訳、ベトナム人配偶者の国籍を証する資料などを準備します。必要な原本・写し・通数は届出先で確認してください。出典:在ホーチミン日本国総領事館「婚姻届」。
結婚後に日本で暮らす場合は、在留資格を別に確認
婚姻届が受理されても、在留資格が自動的に「日本人の配偶者等」へ変わるわけではありません。すでに日本に住んでいる方も、現在の在留資格と期限を確認しましょう。
- ベトナムから呼び寄せる場合:在留資格認定証明書の交付申請と、その後の査証・入国の手続を検討します。
- 日本に中長期在留している場合:現在の活動や今後の生活に合わせ、在留資格変更の要否を検討します。
- 短期滞在中の場合:日本で結婚すればそのまま住めると考えず、出国予定と申請方法を事前に確認します。
「日本人の配偶者等」の申請では、婚姻を示す証明書のほか、生活費に関する資料、質問書、お二人の交流を確認できる資料などが案内されています。申請区分に応じて出入国在留管理庁の提出書類一覧を確認します。
よくある質問
アポスティーユがあれば婚姻要件具備証明書は不要ですか?
不要にはなりません。婚姻要件具備証明書は結婚の条件を満たすことを示す書類で、アポスティーユは書類の出所を確認する証明です。役割が違います。
日本で結婚したら、ベトナム側の手続は省略できますか?
日本の婚姻届だけで両国の記録が自動的に整うとは限りません。日本での受理後に、ベトナム側で必要な婚姻の記録手続を確認してください。
必要書類がそろえば、配偶者ビザは必ず許可されますか?
許可が保証されるわけではありません。婚姻と生活の状況を、事実に沿って説明することが大切です。婚姻証明書だけでなく、交際の経緯や生活の予定も整理しましょう。
ベトナム人との結婚・配偶者ビザの準備をご相談ください
書類の発行元が複数ある、離婚歴がある、お二人が別の国に住んでいる、在留期限が近いといった場合は、書類取得の前に順序を整理すると手戻りを減らせます。
たかやま行政書士事務所では、婚姻の予定・届出状況と在留状況を確認し、日本で暮らすための手続をご案内します。ご相談時は、お二人の国籍と現在地、婚姻予定地、現在の在留資格・期限、手続の希望時期をお知らせください。
結婚の届出先や必要書類、結婚後の在留手続で迷っている方は、お気軽にお問い合わせください。初回相談は無料です。お二人の現在地や準備状況を伺い、手続の進め方をご案内します。
国際結婚全体の基本事項は、国際結婚の手続|婚姻届から配偶者ビザまでもご覧ください。
本記事は確認日時点の一般的な情報です。必要書類や受理条件は、実際に届け出る市区町村・人民委員会・大使館等にご確認ください。
