経営・管理ビザ|新要件・必要書類・申請の流れを行政書士が解説

在留資格「経営・管理」は、外国人が日本で事業を経営し、または事業の管理業務に従事するための在留資格です。2025年10月16日から許可基準が大きく変わり、資本金だけでなく、常勤職員、日本語能力、申請者の経歴、事業計画書などを総合的に準備する必要があります。

この記事では、2026年8月時点の出入国在留管理庁の公表資料に基づき、新規申請・在留資格変更・更新の違い、主な要件、必要書類、申請の流れ、不許可リスクを分かりやすく解説します。

目次

経営・管理ビザとは

対象となるのは、日本で事業方針を決定し、予算・人員・取引を統括する経営活動、または事業の管理に従事する活動です。代表取締役、取締役、支店長、工場長などが典型例ですが、肩書だけで判断されるわけではありません。

現場作業や単純作業が活動の中心である場合は、経営・管理に該当しない可能性があります。申請者が実際に行う職務を、事業計画や組織図などの資料と一貫させることが重要です。

経営・管理ビザの事業計画を専門家と確認する外国人経営者
経営・管理ビザは、資金・人員・日本語能力・経歴・事業計画を総合的に準備します。

申請の種類|認定・変更・更新

海外から日本へ来る場合

海外在住の方は、原則として在留資格認定証明書交付申請を行います。証明書の交付後、在外公館で査証を申請し、日本へ入国します。

日本国内で在留資格を変える場合

留学、技術・人文知識・国際業務など、現在の在留資格から経営・管理へ移る場合は、在留資格変更許可申請を行います。会社設立や事業所契約を進める前に、現在の在留資格で認められる活動範囲も確認してください。

すでに経営・管理で在留している場合

在留期間更新許可申請を行います。更新では、実際の経営活動、会社の決算、納税・社会保険、許認可の取得状況なども確認されます。

2025年10月16日からの主な新要件

1.常勤職員を1人以上雇用する

申請者が経営する会社などで、基準上の対象となる常勤職員を1人以上雇用する必要があります。対象は、日本人、特別永住者、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格を持つ外国人です。就労資格など、入管法別表第一の在留資格を持つ外国人だけを雇用しても、この要件は満たしません。

2.資本金等が3,000万円以上である

法人の場合は、原則として資本金または出資総額が3,000万円以上必要です。個人事業では、事業所の確保費用、常勤職員の給与、設備投資など、事業へ投下された財産の総額で判断されます。

3,000万円を用意すれば自動的に許可されるわけではありません。資金の形成経緯、送金経路、実際に事業へ使用する計画を客観的な資料で説明します。

3.日本語能力がB2相当以上である

経営者または常勤職員のうち、少なくとも1人にB2相当以上の日本語能力が必要です。外国人の場合は、JLPT N2以上、BJT400点以上などの試験結果や、一定の学歴・在留歴で立証できる場合があります。

4.申請者に学位または実務経験がある

  • 経営管理または申請する事業に必要な技術・知識の分野について、博士、修士または専門職の学位を取得している
  • 事業の経営または管理について3年以上の経験がある

5.専門家が確認した事業計画書を提出する

事業計画書は、具体性、合理性、実現可能性について経営の専門家による確認が必要です。2026年8月時点の確認者は、日本の中小企業診断士、公認会計士または税理士です。在留申請書類の作成と事業計画の評価では、担当者の役割が異なることがあります。

事業所にも実体が必要

日本国内に、事業を継続的に行うための事業所を確保します。賃貸物件では、契約名義、使用目的、使用区画、貸主の承諾、業務設備などを確認します。自宅との兼用や共有スペースの利用では、事業専用部分や独立性をより慎重に説明する必要があります。

法人設立時の定款については「定款認証」もご確認ください。

申請までの基本的な流れ

  1. 事業内容と申請者の経歴を確認する
    経営・管理に該当する活動か、学位または実務経験を立証できるか確認します。
  2. 資金計画と資金形成の経緯を整理する
    資金の出所、送金経路、使途を資料で説明できるようにします。
  3. 事業所と常勤職員を確保する
    賃貸借契約、設備、雇用契約、社会保険関係を準備します。
  4. 会社設立・許認可・税務届出を進める
    事業内容に応じて必要な手続きを行います。
  5. 事業計画書を作成し、専門家の確認を受ける
    市場、商品・サービス、販売方法、収支、人員体制を具体的に説明します。
  6. 出入国在留管理局へ申請する
    認定・変更・更新のうち、状況に合う申請を行います。

主な必要書類

  • 申請書、写真、パスポート・在留カード関係資料
  • 登記事項証明書、定款、株主・役員関係資料
  • 資本金・出資・資金形成の経緯を示す資料
  • 常勤職員の雇用契約、住民票、給与・社会保険関係資料
  • 日本語能力、学位または経営・管理経験を示す資料
  • 専門家の確認を受けた事業計画書
  • 事業所の賃貸借契約書、平面図、写真
  • 取引契約、見積書、許認可、商品・サービス資料
  • 既存会社の場合は決算、納税・社会保険関係資料

必要書類は、申請の種類、会社の状況、事業内容、申請者の役割によって異なります。出入国在留管理庁から追加資料を求められる場合もあります。最新情報は公式の「在留資格『経営・管理』」も確認してください。

不許可リスクを減らすための確認事項

  • 申請者が実際に経営・管理活動を行うことを説明できるか
  • 資金の出所と送金経路を客観的な資料で示せるか
  • 事業所に独立性と設備があるか
  • 売上予測、仕入先、販売先、人員計画に具体的な根拠があるか
  • 事業に必要な許認可を取得しているか、取得計画があるか
  • 納税、社会保険、届出などを適切に行っているか

既存の経営・管理ビザを更新する方へ

改正前から経営・管理で在留している方には経過的な取扱いがあります。ただし、旧基準のまま将来も必ず更新できるという意味ではありません。経営状況、納税・社会保険、許認可、実際の活動内容、新基準へ適合する見込みなどが個別に確認されます。

将来、永住許可申請を考えている場合は、在留状況だけでなく、公租公課の履行や経営活動の継続性も早めに確認してください。永住については「永住許可申請の要件・必要書類」もご確認いただけます。

よくある質問

資本金3,000万円があれば許可されますか

資本金だけで許可が決まるわけではありません。常勤職員、日本語能力、申請者の経歴、事業計画、事業所、資金形成の経緯などが総合的に審査されます。

常勤職員は外国人でもよいですか

対象となる在留資格が限定されています。永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者などは対象になりますが、技術・人文知識・国際業務などの就労資格だけでは雇用要件を満たしません。

自宅を事業所として使えますか

住居部分との区分、事業専用性、貸主の承諾、契約内容、設備などを慎重に確認します。個別の物件や事業内容によって判断が異なります。

会社を設立すれば申請できますか

会社設立だけでは足りません。実際に事業を開始・継続できる体制、事業所、資金、人員、取引見込みなどを具体的に説明する必要があります。

事業計画書は誰に確認してもらいますか

2026年8月時点では、日本の中小企業診断士、公認会計士または税理士による確認が必要です。制度や対象者は変更される可能性があるため、申請時に最新の公的情報を確認します。

経営・管理ビザ申請の料金

出入国在留管理局への経営管理ビザ申請報酬料は15万円~+税で、会社設立には、定款認証(公証人認証代5万、提携司法書士費用、郵送費込み)15万円+税、資本金は別途ご用意していただく必要があります。

経営・管理ビザの申請をご検討の方へ

たかやま行政書士事務所では、事業内容、申請者の経歴、資金計画、事業所、雇用計画を確認し、会社設立・許認可・在留申請の順序を整理します。資金投入や物件契約を進める前の段階でもご相談いただけます。初回相談は30分無料、原則オンラインで対応しています。

本記事は2026年8月時点の一般的な制度説明です。許可・審査期間・申請結果を保証するものではありません。個別の許否は、申請者と事業の具体的事情および審査により判断されます。

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